オタビジブログ

とあるメディア企業で働くオタクビジネスプロデューサーによるブログ。 アニメやゲームなどいわゆる「オタク向けビジネス」の紹介・分析を中心としながら、イロイロ書いていきます。言っちゃだめなことは言いません(=゚ω゚)ノ

日本のアニメ産業はこのままいくと完全に破綻すると思う②広告代理店のお仕事

201307

さて、続きの記事です。
前回:日本のアニメ産業はこのままいくと完全に破綻すると思う(=゚ω゚)ノ①

前の記事では、テレビ局が深夜アニメを放送する理由を書きました。
その理由を一言で言ってしまうと、

広告代理店がアニメ番組をスポンサー込みで持ってきてくれるので、
労をかけずに深夜枠を埋められるから


といったところでした。
もちろん他の理由もあるのですが、上がわかりやすく、象徴的なところです。 

そこで今回は、

広告代理店はなぜリスクを取ってまで、深夜アニメを持ち込んでくるのか?

といったところを考えたいと思います。
ここに、アニメ産業が衰退してしまうという危惧を感じる一番の理由が潜んでいると考えています。

 広告代理店がアニメビジネスを推進する理由


広告代理店といえば、電通や博報堂ADKなどが代表的です。
アニメビジネスに製作委員会として名前を連ねるのは上記がほとんどですね。

「広告代理店」という仕事がそもそもわかりにくいと思いますが、
基本的には「代理店」という名前の通り、企業(人)と企業(人)をうまく繋ぎ、その間で利ざやを稼いでいます。 
 
例えば、マスメディアやネットメディアにスポンサー(広告主)を連れて行って、メディア企業の広告枠を埋めてあげたりしています。
ちなみに、最近ではスポンサーは「アドバタイザー」なんて呼ばれています。 

つまり、代理店は、
・広告主は自らの商品を広めるため、効果的な広告戦略を取りたい
・メディア企業は収入を得るために広告枠を埋めたい 
この2つの間に入って、効果的な広告戦略を提案しています。

さて本題に戻りますが、そんな仕事をしている広告代理店が、なぜリスクを取ってまで積極的にアニメビジネスを推進するのでしょうか?

①テレビ広告市場の縮小

世界的な潮流で、インターネットメディアが発達し、テレビ広告市場が縮小しています。
(日本はそこまで大きく変わらず、現在はまだ横ばいです。) 
その分インターネット広告市場は拡大しているわけですが、インターネットは“フラット”な世界です。
今までなかったつながりがどんどん生まれています。

それは、広告主とメディアも例外ではありません。
代理店が中抜きされることが多くなっています。
例えば、Google Adwordsが良い例で、Googleの検索画面に表示される広告のことです。
これは広告主がGoogleが提供するAdwordsに登録すれば、自動入札システムによって、あるキーワードに高い金額をつけた企業から順に表示されます。 

そんな広告が主体となると言ってしまうと極端かもしれないですが、インターネット広告市場では、代理店が代理しなくても広告ビジネスが成立してしまうことがあるわけです。
そのため、広告代理店が最近では「広告会社」と呼ばれたりもしています。

投資ビジネスへ

そんなテレビ広告市場の縮小による影響を受けている広告代理店も、ずっと受け身で市場の変化を受け続けているわけにはいけません。
彼ら巨大な広告代理店はテレビ広告という巨大市場の収入に寄るところが大きいわけです。
そこが縮小となると、もちろん別の収入源を探します。

そこで目をつけたのが、投資ビジネスです。 
その一つとして、深夜アニメに目をつけ、製作委員会に入り、アニメ作品に出資しています。

製作委員会は各社が役割を持ち、それによって役割を負担したことについては、配分が有利にもらえるようになっています。
そこでの代理店の役割は、「放送枠を見つけること」と「スポンサーを連れてくること」です。
そのため、広告代理店は、
スポンサーを連れてきて、良い放送枠を獲得し、アニメをヒットさせ、投資分を回収する
ことに力を注いでいます。
 

だったのですが。。。
ここに根幹を揺るがす問題が生じています。
投資分を回収することがだんだんと難しくなっているのです。

これについても次回に分けさせて頂きます! 

日本のアニメ産業はこのままいくと完全に破綻すると思う(=゚ω゚)ノ③