オタビジブログ

とあるメディア企業で働くオタクビジネスプロデューサーによるブログ。 アニメやゲームなどいわゆる「オタク向けビジネス」の紹介・分析を中心としながら、イロイロ書いていきます。言っちゃだめなことは言いません(=゚ω゚)ノ

ラブライブ効果、早くも現る!ソシャゲ運営のKlabが一瞬で単月黒字化だと…

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先日、こんな記事を書きましたね。

「ラブライブ!」第二期決定!月商10億?!ソシャゲだけでアニメ制作費を補えるのでは(=゚ω゚)ノ

そしたらその4日後の6月18日。
ラブライブ!ソーシャルゲームの開発をしているKlabよりこんな発表がありました。

 ■KLab、2013年5月 単月黒字化のお知らせ | ニュースリリース | KLab株式会社

KLab、2013年5月 単月黒字化のお知らせ

KLab株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:真田哲弥、以下「KLab」)は、当社グループが2013年5月度単月の業績において、営業利益の黒字化を達成したことをお知らせいたします。
当社グループの業績は2013年12月期第1四半期より営業損失を計上しており、単月においても赤字決算が続いておりました。
また2013年9月度から単月黒字化するものと見込んで2013年4月12日に公表した通期業績予想を算出しております。

計画より早く単月黒字化を達成した要因は以下となります。

●新作のヒットによる売上高の増加 (2013年4月より提供を開始した『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』や、グループ子会社が提供する『幽☆遊☆白書 -魔界統一最強バトル-』など)

●既存作の堅調な推移

●外注費を中心としたコスト削減を計画以上のスピードで推進

今後もより多くのユーザーの皆様にお楽しみいただけるサービスを追求し、提供してまいります。

※なお、連結の単月売上高及び営業利益は集計中のため速報値であり、監査法人の監査を受けておりませんので修正する可能性がございます。


いやーすごい。ラブライブ!恐るべし。

これを受け、株価が急騰しております。
2日続けてストップ高です。

KLabがストップ高買い気配、4ヵ月前倒しで5月に単月黒字化を達成 | 個別株 - 株探ニュース

自分を信じてKLab株買い込んでおけばよかったですね。
そしたら今頃めっちゃお金増えてましたね。
(断じてインサイダーではないです)

以下、2013年4月12日にKlabより発表された決算短信から抜いてみましたが、
Klabは昨年9月~今年2月までで営業赤字8.8億円を出していた企業です。


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KLabは一時期「倒産説」までささやかれていた企業でもあります。
それが今では急速に営業利益を拡大し、単月黒字化して株価急騰。
ラブライブ!自体が来年2014年4月に新作が発表されていて展開が続いていくことを考えると、まだまだこの勢いは衰えそうにありません。

あくまで単純計算ですが、赤字8.8億円÷6ヶ月を考えると、ひと月あたり約1.5億円の赤字があったことになります。
にも関わらず、4月リリースのラブライブ!ソシャゲがぐんぐん売上を伸ばし、翌月5月には単月黒字化を達成。
なんてサクセスストーリーなんでしょう。

Klabのリリースには色々と達成理由が書かれておりますが、9割方、ラブライブ!のおかげな気がします。
6月からはAndroidにも対応したことを考えると、これからさらに売上は伸びていくでしょう…!


ニュースリリースの「単月黒字化」からまたしても売上規模を考えてみる

ゲーム開発会社はKlabですが、 これはあくまでブシロードとの共同開発という形になっています。
KLab、ブシロードと業務提携「ラブライブ!」をゲーム化し、「ブシモ」に提供 | ニュースリリース | KLab株式会社  

つまり、なんらかの費用(開発費(制作費)など)を分け合う代わりに、利益も分け合っているはずです。
業務提携・共同開発といっても利益の分け方は色々想像できます。
契約内容まではわからないのでまったくの仮定ですが、今回は単純に利益折半と考えておきます。

また、ブシロードが製作委員会にも入ってアニメ自体に出資しているので、委員会への戻し料率は低めの10%と設定します。
アプリ開発費+絵や声優の権利処理費用はざっくり3000~4000万円規模でしょうか。
(ただ、開発費や権利処理費用については、初月の4月で計上しているかと思いますので、割愛します)

となると、前記事でAppStoreの順位からざっくりと予想したように、5月の全体売上が10億円だった場合、、、
Appleプラットフォーム手数料30%:3億円
ラブライブ!制作委員会への戻し(印税)10%:1億円
が確実に発生します。

月1.5億円の赤字があったとすると、単月黒字化を達成するためには、利益で1.5億円(!)以上稼ぎだす必要があります。 
が、残りの6億でサーバー運営費や広告費を支払って、折半したとしても、十分に1.5億円以上残る規模かと思います。

黒字化する利益から逆算してみても、全体売上は少なくとも6億円ほどあったかと思います。
もし本当に10億円いっていたとしたら、次の決算発表が楽しみですね。
株価がさらに跳ねそうです。


ハイリスクハイリターンのアニメ&ソーシャルゲームビジネス

それにしても、他のソーシャルゲームが生み出す赤字をこれ一本で一気に回収してしまうわけです。
こう考えると、ソーシャルゲームのハイリスクハイリターン具合は、アニメビジネスとよく似ていますね。
やはりアニメ×ソーシャルゲームは相性が良いと思います。

最近は権利者が存在しないオリジナルゲームが主流ですが、既存のコンテンツとのコラボを重要視する時代が来る感じがひしひしとします。
コンテンツホルダー側の業界関係者の間でも、そのような動きを受け始めていることを聞いたりします。

AmazonのDVD・BDランキングの上位に食い込んでいる「ラブライブ!」、快進撃はまだまだ続きそうです。
今後、二番煎じというか、二匹目のどじょうを狙った作品が冬くらいに出てくるかと思います。

まぁそもそも「ラブライブ!」自体がバンダイの「アイドルマスター」を強く意識した作り&ビジネス展開になってますが、色んな意味でアイマスを打ち負かす日が近づいているかもしれません!