オタビジブログ

とあるメディア企業で働くオタクビジネスプロデューサーによるブログ。 アニメやゲームなどいわゆる「オタク向けビジネス」の紹介・分析を中心としながら、イロイロ書いていきます。言っちゃだめなことは言いません(=゚ω゚)ノ

「企画」って何?アニメ好きなら知っておきたいスタッフロールの読み方

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友人からよく受ける質問がありまして…

「よくアニメで見かける夏目公一朗って何者??」

コレ、ほんとよく聞かれます。
しかも具体名を言われるときってだいたい夏目さんですねw 

回答は先送りにするとして、アニメではOPとED両方にスタッフロールがあることが一般的です。
(クレジットロールとも言います。)

実際、スタッフの人たちが何しているかなんて、特に知らなくてもなんの弊害もないんですが、
知っていたら知っていたで、楽しめることがきっとあります!

ここでは代表的な肩書とその肩書の人が何しているかをざっくりとまとめてみます。 

 原作


これはわかりやすいですね。
「そのアニメの元となるものがあるかどうか」ということです。
オリジナルアニメの場合は存在しません。


原作協力/企画協力

原作があるアニメの時に、このような表記がある時があります。
原作側の会社でアニメに協力してくれている人をここに列挙します。
例えば、原作が漫画やラノベであれば、その出版社の編集担当などが載ります。


企画/発案

冒頭に例として出した夏目さんはよくこの肩書で載っています。
夏目さんはアニプレックスの代表取締役です。
つまり、この項目には製作委員会に参加している会社の偉い人が列挙されます。
「出資するかどうかの決済権を握っている人」とも捉えられるかと思います。
他に大人の理由で名前を載せなくてはならない人がいる場合もここに載ります。


エグゼクティブプロデューサー/チーフプロデューサー

『実務責任者以上、決済権を持つ人未満』的な人です。
具体的に何をしなければならないということはありませんが、作品のアドバイザー的なポジションです。
組織的に言うと、プロデューサー以上の管理職、といったところでしょうか。


プロデューサー

このあたりからアニメ作りの実働部隊になります。
何人も列挙されていますが、基本的に各製作委員会から一人以上は出ています。
そのアニメビジネスのお金回りを各会社を代表して組み立てる人です。
それぞれの出資会社が担当する案件の実務責任者となります。


アニメーションプロデューサー/制作プロデューサー

アニメ制作会社の至上命題は「いかに良い映像作品を作るか」です。
なのでそのプロデューサーに関しては、もちろんお金回りの調整ごともするのですが、映像制作に重きを置きます。
監督や脚本家、声優のスタッフィングについて、各プロデューサーとの協議の上、決定されますが、最終的に映像制作を担当していくのはアニメPなわけなので、他のPよりも責任が重いわけです。
スタッフロールはアニメ映像に載せるものなので、一人だけ別の肩書で載せることが多いのです。


アシスタントプロデューサー/アソシエイトプロデューサー

プロデューサーの補助の人です。
みならいプロデューサーといったところで、声優さんのお菓子の買い出しまで、なんでもやります。
会社によって、付けないところもありますので、プロデューサーの人数と対になるわけではありません。


シリーズ構成

脚本は回によってまちまちなことが一般的です。
が、脚本家それぞれが思い思いに書いてしまうと、方向性がバラバラになってしまいます。
そうならないために、この人が全体の方向性を揃えます。
脚本家の中の元締めのようなポジションです。


総監督

シリーズ構成と脚本家の関係と同じような形で、監督の上に総監督が君臨します。
あまりに回ごとによって表現が違いすぎないよう、総監督がプロデューサー陣と協議し、各監督の足並みを揃えます。
また、最近では「作画総監督」というポジションもあり、全体を通して絵が崩れないようにしています。
いわゆる「作画崩壊」対策です。


監督

アニメ制作には色んな工程がありますが、まず、監督が脚本を元に「絵コンテ」を描くところから始まります。
見たことある人も多いと思いますが、四コマ漫画みたいなマスの中に、鉛筆で雑に描かれているやつです。
一番大元になるところで、「どの場面がどう描かれるか」を1コマずつ描いていきます。
別に何コマ書かなきゃいけないというルールはありませんので、監督のセンス次第です。